漢方薬は、自分の証に合ったものをお選び下さい。
「証」とは体力、体質、症状などから患者さんの状態を総合的に観察した診断結果のことです。
- 実証は生理機能が高まった状態を意味して、外見は健康そうに見えます。
- 虚証は体力がなく、生理機能が衰え、抵抗力も低下した状態を意味します。
- 中間証は実証または虚証のどちらも偏らず、それぞれの特徴を半分ずつもつ場合を意味します。
「証」の判定は「証の自己判定テスト」をご利用ください。
スポンサードリンク
実証
- 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
下腹部痛や排尿時に痛みがあり、便秘、不安感、動悸、血尿などのある場合に有効です。 - 猪苓湯(ちょれいとう)
体力にかかわらず、泌尿器の炎症症状の治療に使用します。排尿時の痛み、残尿感、排尿困難、尿量減少、血尿などで用いられます。
中間証
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
切迫性尿失禁のほかに、尿道炎、膀胱炎、排尿痛、残尿感、頻尿、尿の濁りなど、泌尿器の炎症全般に用いられます。 - 四逆散(しぎゃくさん)
切迫性尿失禁のほかに、胸脇苦満がともなう腹痛、下痢、神経質な体質などに用いられます。 - 五苓散(ごれいさん)
体質にかかわらず、水分をとっているのに尿量が減少する、のどの渇き、むくみ、胃内停水などの症状に用いられます。 - 五淋散(ごりんさん)
慢性的な尿路感染症や膀胱炎がある場合に用いられます。
虚証
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
手足の冷え、脱力感、排尿困難、尿量の減少または過多、残尿感、夜間頻尿があるときに用いられます。また、反射性尿失禁にも有効です。 - 清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
尿失禁など、泌尿器の病気に用いられます。残尿感、頻尿などの症状にも効果があります。 - 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
頻尿、足の痛みやしびれ、腰痛などのほか、排尿異常などに用いられます。また、反射性尿失禁にも有効です。 - 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力不足で、胃腸のはたらきが衰え、疲労感が強い人に使われます。体力の回復をはかり、腹圧性尿失禁に有効です。 - 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
子どもの夜尿症、疲れやすい人で、排尿回数や尿量の多い場合に効果があります。 - 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
頻尿、気分がふさぎがちで不安が強い、神経過敏ぎみの人に用いられます。 - 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
排尿回数や尿量の減少、貧血、下腹部痛などに用いられます。 - 猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう)
血色のよくない人で、尿道炎、膀胱炎などの血尿、残尿感、排尿痛が慢性的にみられるときに使われます。