-五苓散(ごれいさん)-


五苓散(ごれいさん)の効能

体質に関係なく広く処方されています。のどが渇き、尿量が減少して、嘔吐、下痢、むくみ、頭痛のいずれかの症状がある場合に用います。急性胃腸炎、腎炎黄疸、二日酔い、膀胱炎、頭痛、むちうちなどに応用します。乳児が、乳を噴出すように吐くような場合によく効き、急性の病気で発熱、頭痛、腹痛、口渇のある場合にも用います。体質にかかわらず、水分をとっているのに尿量が減少する、のどの渇き、むくみ、胃内停水などの症状に用いられます。


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適応される症状

  • 頻尿
  • 膀胱炎
  • 二日酔い
  • むくみ
  • 頭痛

配合生薬

配合生薬の効能

沢瀉(たくしゃ)

沢瀉には尿毒症の改善、肝脂肪の蓄積抑制、利尿作用などが認められています。

これらにはトリテルペンのアリソールB、およびそれらのモノアセタートが関与しています。また、これらは血中のコレステロール低下作用を示すことが動物実験で確認されています。また免疫活性作用は含有多糖類による効果です。

漢方では利尿薬や尿路疾患用薬、鎮暈薬(ちんうんやく:乗物酔い防止薬)などに処方されます。

猪苓(ちょれい)

猪苓には、利尿、解熱、止渇、制癌などがありますが、中心は利尿作用です。漢方では、水逆の症、利尿、解熱、消炎、抗腫瘍性などを目的に処方されます。

猪苓はマイタケ属のチョレイマイタケで、薬用にするのは地下の菌核です。薬効成分にはアルカリ可溶グルカン、エルゴステロール、2ヒドロキシテラコサン酸などがあります。

アルカリ可溶グルカンには利尿作用や抗腫瘍作用、エルゴステロールには発がん抑制作用、血小板凝集増強作用があります。

猪苓は利水薬ですが、同じ利水薬の茯苓(ぶくりょう)と違って水逆の症を治す要薬とされ、さらに茯苓は補益の薬とされ、長期に服用すると良いとされていますが、猪苓は水を利す作用が強くて、長期の服用は腎臓に良くないとされています。

茯苓(ぶくりょう)

茯苓には、利尿、強心、鎮痛、鎮静作用があります。漢方処方では利尿剤、利水剤、心悸亢進、胃内停水、浮腫、筋肉の痙攣などに茯苓を配合しています。

秩苓とは漢名で、植物名をマツホドと呼び、松の根に寄生するサルノコシカケ科の菌核です。秩苓は菌核に多糖類のβパヒマンを、それにテルペノイドやエルゴステロールなどの成分を含んでいます。

最近の報告では多糖類のパヒマンから誘導されたパヒマランに、細胞性免疫賦活作用が認められています。サルノコシカケ科に共通の抗腫瘍作用とともに、今後の研究が期待されています。

茯苓は民間薬としては使われず、まれに利尿を目的に煎液を飲む程度です。漢方でも配合薬としては汎用されますが、単独では用いません。

蒼朮(そうじゅつ)

朮は体内の水分代謝を正常に保つ作用があり、健胃利尿剤として利用されています。特に胃弱体質の人の下痢によく効き、胃アトニーや慢性胃腸病で、腹が張るとか、冷えによる腹痛を起こした場合などにもいいです。

日本では調製法の違いによって白朮(びやくじゅつ)と蒼朮(そうじゅつ)に分けられます。いずれも同じような効能を示しますが、蒼朮は胃に力のある人の胃腸薬として使い分けられています。

両者の主成分は、精油成分のアトラクチロンと、アトラクチロジンです。ちなみに、白朮には止汗作用があるのに対して、蒼朮は発汗作用を示します。朮は漢方治療では、多くの処方に広く利用される生薬の一つです。

桂皮(けいひ)

桂皮には、発汗作用 健胃作用 のぼせを治す作用 鎮痛作用 解熱作用があります。漢方では、頭痛、発熱、悪風、体痛、逆上などを目的に使います。

主成分は、カツラアルデヒドを含む精油です。

風邪をひいて胃腸や体が丈夫でない人は葛根湯(かっこんとう)でなく、桂皮を配合した桂枝湯(けいしとう)を服用すると良いでしょう。

民間療法として桂皮は健胃、整腸に用いられ、桂皮を煎じて食前に飲みます。また桂皮の葉を陰干しにし布袋に詰めて風呂に入れると、精油の作用で体をあたためる効果があります。


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漢方薬の使用上の注意

漢方薬の副作用


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の治療ガイド

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