-猪苓湯(ちょれいとう)-


猪苓湯(ちょれいとう)の効能

体力に関係なく、広く使えます。排尿痛、頻尿、血尿、排尿困難、残尿感があり、胸脇苦満や口渇のある人に用います。膀胱炎や尿道炎、尿路結石、慢性腎臓炎などに応用します。泌尿器の炎症症状の治療に使用します。排尿時の痛み、残尿感、排尿困難、尿量減少、血尿などで用いられます。


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適応される主な症状

  • 頻尿
  • 膀胱炎、尿道炎
  • 尿路結石
  • 慢性腎臓炎

配合生薬

配合生薬の効能

猪苓(ちょれい)

猪苓には、利尿、解熱、止渇、制癌などがありますが、中心は利尿作用です。漢方では、水逆の症、利尿、解熱、消炎、抗腫瘍性などを目的に処方されます。

猪苓はマイタケ属のチョレイマイタケで、薬用にするのは地下の菌核です。薬効成分にはアルカリ可溶グルカン、エルゴステロール、2ヒドロキシテラコサン酸などがあります。

アルカリ可溶グルカンには利尿作用や抗腫瘍作用、エルゴステロールには発がん抑制作用、血小板凝集増強作用があります。

猪苓は利水薬ですが、同じ利水薬の茯苓(ぶくりょう)と違って水逆の症を治す要薬とされ、さらに茯苓は補益の薬とされ、長期に服用すると良いとされていますが、猪苓は水を利す作用が強くて、長期の服用は腎臓に良くないとされています。

茯苓(ぶくりょう)

茯苓には、利尿、強心、鎮痛、鎮静作用があります。漢方処方では利尿剤、利水剤、心悸亢進、胃内停水、浮腫、筋肉の痙攣などに茯苓を配合しています。

秩苓とは漢名で、植物名をマツホドと呼び、松の根に寄生するサルノコシカケ科の菌核です。秩苓は菌核に多糖類のβパヒマンを、それにテルペノイドやエルゴステロールなどの成分を含んでいます。

最近の報告では多糖類のパヒマンから誘導されたパヒマランに、細胞性免疫賦活作用が認められています。サルノコシカケ科に共通の抗腫瘍作用とともに、今後の研究が期待されています。

茯苓は民間薬としては使われず、まれに利尿を目的に煎液を飲む程度です。漢方でも配合薬としては汎用されますが、単独では用いません。

滑石(かっせき)

滑石は胃腸で有害物質や水分粘液などを吸着しますので、胃腸炎に有効です。また腎臓の炎症をとりますので頻尿、排尿障害に有効です。

漢方では利尿(膀胱炎や尿道炎)消炎、止渇などを目標に処方されます。

成分は水酸化マグネシウムとケイ酸塩などです。

沢瀉(たくしゃ)

沢瀉には尿毒症の改善、肝脂肪の蓄積抑制、利尿作用などが認められています。

これらにはトリテルペンのアリソールB、およびそれらのモノアセタートが関与しています。また、これらは血中のコレステロール低下作用を示すことが動物実験で確認されています。また免疫活性作用は含有多糖類による効果です。

漢方では利尿薬や尿路疾患用薬、鎮暈薬(ちんうんやく:乗物酔い防止薬)などに処方されます。

阿膠(あきょう)

阿膠には血液の循環、凝固促進作用があります。漢方では補血、子宮の出血、下血、吐血等の止血、滋養、潤燥(乾燥したものを潤す)、鎮痙を目標に処方されます。

動物実験によると、阿膠は筋肉の栄養障害の進行を予防します。これは食物中のビタミンEの酸化防止によると推察されています。

有効成分はグルチン、コンドリン、各種アミノ酸などです。

阿膠は消化されにくい物です。体力が無く胃腸が悪い方が服用すると、嘔吐や下痢を生じやすいので使用は避けてください。


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漢方薬の使用上の注意

漢方薬の副作用


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の治療ガイド

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